大学受験と社会人生活
高校部担当の亀井です。
以前、大学受験生と一斉に面談をしたときに、「はやく受験終わらないかな・・・」とつぶやいている生徒が何人かいました。
それを聞いたとき、ちょっと違和感を感じたのですが、今はその理由がはっきりわかったのでそれをお伝えします。
結論から言いますと・・・残念ながら、社会に出てからの生活は大学受験生の生活とよく似ています。高校生は社会人生活がどんなものかわからない人が多いと思いますが、「大学受験のような1年間を毎年繰り返しているのが社会人である」と考えるのが一番近いですね。
もちろん、「給料をもらえる」「一人でなく、チームで取り組む」などの違いはありますが、あくまで精神的な面だけで考えれば、大学受験生と会社勤めをしている社会人というのはかなり近いです。
勉強しても、成績がなかなか伸びず、どうすればいいのかわからない。 ⇒営業努力しても、なかなか売り上げが伸びなくてorお客さんが来てくれなくて、どうすればいいのかわからない。
先生や親から、成績の悪い教科の勉強をしろと言われる。 ⇒上司や先輩から、やりたくない仕事をやれと言われる。
「なんでこんなことしなきゃならないんだ・・・」 ⇒両者全く同じ
具体的な対応を挙げるとこんな感じでしょうか?もちろん、社会人がずっとこんな思いで仕事をしているわけではありません。仕事が楽しいときもあれば、しんどいときもある。これも受験勉強と同じですね。
さらに言えば、民間企業で働く場合、しっかりと売り上げをあげていれば社長・上司・先輩から文句を言われることは基本ありません。たとえ人間的・性格的に問題があっても、大目に見てくれます(あまりにもひどければ別ですが)。これは大学受験でいえば一般入試に近いです。点数取れてれば他は全く関係ないので。
一方で公務員・医療など、国に守られている産業では、たとえ赤字でも国が守ってくれるので、売上が上がらなくても何も言われません。こう聞くとすごくラクに聞こえますが、実はそうでもありません。営業成績(売上)という客観的な指標がないとき、評価は完全に「主観的」になります。わかりやすく言えば、「上司や先輩に気に入られるかどうか」で評価されます。これは総合型選抜や推薦入試に対応しますね。面接官との相性が非常に大事になってきますので。
さて、ここで最初の話に戻りますが、「早く受験終わらないかな・・・」と思っている受験生諸君には、たとえ受験が終わっても、残念ながらそんな感じの生活はまだまだ続きますよ~、ということを理解してもらいたいです。だから、「受験で頑張れない人は一生頑張れない」とか言われるわけですよ。
そういうわけなので、学生の時にちゃんと勉強できているかというのは、実際に仕事できるかどうかと大きく関わりますから、頑張って勉強してくださいね、ということです。